Round.1 OKAYAMA RACE REPORT
2011 SUPER GT OKAYAMA GT 250Km RACE
■開催日:2011年5月21日〜5月22日
■コース:岡山国際サーキット(全長3.701km)
■天候:<予選> 曇<決勝>曇
■路面コンディション:<予選>ドライ<決勝>ドライ
■チーム:LEXUS TEAM WedsSport BANDOH
■車名:WedsSport ADVAN SC430
■ドライバー:片岡龍也/ 荒聖治
■監督:坂東正敬
■観客動員数:予選 8,500人/ 決勝 15,000人
初のドライレースで完走を果たし、貴重なデータを蓄積
4 月3 日に岡山国際サーキットで幕を開けるはずだった開幕だが、震災の影響で第1 戦と第2 戦が入れ替わり、5 月22 日に第1 戦が行われることとなった。
仕切り直しとなったこのレース、坂東正敬率いる、「LEXUS TEAM Weds Sport BANDOH」は、前回の富士では雨の混戦を生き残り、3 位表彰台をゲットし幸先のいいスタートを切ったが、舞台を岡山に移した今大会では、マシンデータ不足に苦しみ予選、決勝とも15 位と最下位に甘んじてしまう。
しかし、きびいしレースでありながらも完走を果たし貴重なデータを蓄積し次戦への希望を掴んだ。
予選
■5月21日(土)予選 【15位/1分26 秒521】
公式予選1回目 天候:曇 | コース:ドライ | 気温26℃ | 路面温度31℃
昨日夜半から降っていた雨はあがり走行が始まるころにはすっかりドライでのフリー走行となった。
荒を中心に走行メニューが組まれ、荒はむさぼるように走行を重ねる。しかし、このセッションは結果15 位。38 号車「ZENT CERUMO SC430」が出したタイム、1 分24 秒882 がベストタイムとなった。
続いて行われた予選は12 時30 分から500/300 の合同走行から開始された。この合同予選で全てのドライバーが基準タイムをクリアする。基準タイムをクリアしたドライバーだけがその後のQ1 へ進む。このセッションで予選落ちすることはまずないが、Q1 では15 台中11 台がQ2 へ進出し、Q2 で勝ち残った7 台がQ3 に進出できる権利を獲得できる。そしてQ3 でポールシッターが決定するという仕組み。セッションが進むにつれて篩にかけられる文字通りノックダウン予選だ。
19 号車「WedsSport ADVANSC430」のステアリングを握りコースへ出たのは荒聖治。全車一斉にピットロードへ侵入し、コースへ。荒は5 ラップし、1 分27 秒050 のタイムをマークしピットへマシンをもどす。この時点で暫定8 位にランキングされる。
そして片岡にバトンタッチ。片岡も難なく基準タイムはクリアし01 分27 秒107 とタイムを刻む。そして合同の走行時間が終了し、実質のノックダウン予選に移行され再び荒がステアリングを握りタイムアタックを開始。荒はラップを追うごとにタイムを縮め1 分26 秒521 まで刻むが、他車の追い上げも厳しく、15位という結果に。
ノックダウンの結果トップは、17 号車「KEIHIN HSV-010」1 分24 秒507、2 位12 号車「カルソニック INPUL GT-R」、1 分24 秒950、3 位100 号車「RAYBRIG HSV-010」1 分25 秒229。
監督・ドライバーコメント
片岡龍也選手
本来の岡山は、やっぱり富士と同じでドライのセットアップやタイヤの使い方が決まらないのが結果に出てしまっています。
しかし、焦らずにこの結果を受け止めて次につながるようにデータを蓄積することが今は一番大事だと思います。どんな状況でもアグレッシブに戦います。
荒聖治選手
今日は厳しいということしか言いようのない予選となってしまいました。セットアップも色々と試しましたが、なかなか思うように行かず・・・。
乗りやすさはありますが結果に結び付かない。明日のレースはコンディション次第です。次につながるレースにします。
坂東正敬監督
500 の中での本当のスタート。この順位をちゃんと受け止めて、クルーが何をしなければいけないかを確認したい。
明日は雨に期待したいが・・ドライでもいろんな足りない部分を吸収したい。路面温度がかなり気になります。諦めては全くいません。
予選順位
5月21日(土) 12:30〜
天気:曇|路面:ドライ|気温:26度|路温:31度
Po | No | Machine | Driver |
Q1 | Q2 | Q3 | Tire | WH | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | KEIHIN HSV-010 | s | 金石 年弘 塚越 広大 | 1'24.305 | 1'24.781 | 1'24.507 | BS | 6 |
2 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | s | 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ | 1'24.441 | 1'24.803 | 1'24.950 | BS | |
3 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | s | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 1'24.969 | 1'24.932 | 1'25.229 | BS | |
4 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | s | アンドレ・ロッテラー 中嶋 一貴 | 1'24.681 | 1'24.737 | 1'25.232 | BS | 16 |
5 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | s | 立川 祐路 平手 晃平 | 1'24.820 | 1'24.969 | 1'25.305 | BS | 12 |
6 | 39 | DENSO SARD SC430 | s | 石浦 宏明 井口 卓人 | 1'23.374 | 1'25.014 | 1'25.351 | MI | 10 |
7 | 8 | ARTA HSV-010 | s | 武藤 英紀 小林 崇志 | 1'24.947 | 1'24.920 | 1'25.383 | BS | 4 |
8 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | s | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 1'24.941 | 1'25.108 | BS | 30 | |
9 | 1 | ウイダー HSV-010 | s | 小暮 卓史 ロイック・デュバル | 1'24.591 | 1'25.130 | BS | ||
10 | 46 | S Road MOLA GT-R | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 1'24.559 | 1'25.291 | MI | 2 | ||
11 | 24 | ADVAN KONDO GT-R | s | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 1'24.925 | 1'25.638 | YH | 8 | |
12 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | s | 本山 哲 ブノワ・トレルイエ | 1'25.070 | BS | 40 | ||
13 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍 中山 友貴 | 1'25.078 | DL | ||||
14 | 35 | D'STATION KeePer SC430 | s | 脇阪 寿一 アンドレ・クート | 1'25.293 | BS | |||
15 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 片岡 龍也 荒 聖治 | 1'26.521 | YH | 22 | |||
GT500 以上予選通過 |
ノックアウト方式予選により順位を決定
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
○車名の後ろのS:シード権車両=シード権車両は、全ての参加条件が満たされている限り決勝レースへの出場が保証される。
決勝
■5 月22 日(日)決勝【15 位】
天候:曇 | コース:ドライ | 気温23℃ | 路面温度29℃
決勝を迎えた朝は、昨日からの予想通り雨。しかも朝のフリー走行が始まる直前にはバケツをひっくり返したような土砂降りに。よって朝のフリー走行は中止になってしまう。
しかし、SUPER GT の名物ともいえるサーキットサファリでは、マシンの走行が無理なため、急きょドライバー全員が協力しバスガイド役やバスに乗り込む来場者のホスト役を務めたり、ゲストに対する配慮が取られ、いつもとは違う場面に好評価だった。
このフリー走行が中止になってしまったのは雨の量を考慮した結果、致し方ない。よって、決勝前のスタート進行の8 分間走行が延長され25 分間設けられることとなった。
今、走行時間を稼ぐことが大事な19 号車「WedsSport ADVAN SC430」にとっては、ほんの少しだが、その25 分間の走行でも着実にデータを蓄積すると思うと、うれしい走行となった。このころには雨の面影は全くなく、曇っているもののむしろ蒸し暑く路面は完全にドライ。そして、いつもの通りスタート進行が行われ14 時、仕切り直しとなった第1 戦の幕が開けた。
1 周のフォーメーションラップを終えた19 号車「WedsSport ADVAN SC430」にグランドスタンドから「爆走坂東組」の応援団が旗大きく振られるなかエキゾーストサンドを響かせながら、つれこむように1 コーナーに侵入。全車きれいなスタートを切った。
コース幅の狭いサーキットなのでポジション取りはかなり重要だが、ややおとなし目の印象のオープニングラップとなった。
19 号車「WedsSport ADVAN SC430」のスタートドライバーの荒も慎重なドライビングでオープニングラップを終え、周回を重ねる。しかし、12 ラップを超えるころには、早くも「オーバーが強くなってきた」とのインフォメーションが荒から無線を通じて入り、ラップタイムも落ち込んできた。
だが荒はベテランらしい冷静な走りでレースを展開し、着実にラップを重ねる。そしてチームは24 ラップ目にピットインの指示を荒に伝える。25 ラップ目、荒から片岡にバトンが渡された。
19 号車「WedsSportADVAN SC430」は再び戦列に加わりレースを展開。このピットインでニュータイヤに履きかえるが、状況は一転せず、ラップタイムの落ち込みは安定したものの片岡にとっても苦しいレース展開となる。
しかし、片岡も前日のコメントにもあったように諦めずアグレッシブなレース展開で、残りの41 ラップを走り切りゴールラインをくぐった。
第1 戦岡山は、予選、決勝共に厳しいレースとなった。しかし、最下位ながらも諦めずに周回を重ね貴重なデータを蓄積した実績は、次のレースもその次のレースにも生かされていくだろう。
今回の15 位という結果は不本意ではある中でも、着実に前に前進したことには間違いない。
レース後、片岡と荒は冷静ではあったが、心中の悔しさが伺えるレースとなった。今後の「LEXUS WedsSport BANDOH」に期待してほしい・・・
第1 戦 岡山を制したのは、12 号車「カルソニック INPUL GT-R」、2 位100 号車「RAYBRIGHSV-010」、3 位17 号車「KEIHIN HSV-010」という結果に。
決勝後のコメント
片岡龍也選手
今回の岡山が初めてのドライでおこなう決勝でしたが、想像していたより苦しい展開になりました。データなどが無いので苦戦は予想していましたが・・・。
ただ問題点は色々と見えてきているし、これがデータの積み重ねなんだと思います。しかし応援してくれている方には本当に申し訳ないと思います。
がもう少しだけ辛抱してください、この縮めた分のバネはいつか大きく伸びますので。
荒聖治選手
1 戦1 戦を大事に戦うこと。それに、きっちりとデータを残すことが今一番大事なことだと思います。
今回は悔しい結果になってしまいましたが、日本のトップカテゴリーの中で成績を残すことは難しいことです。テスト不足が大きく響いていると思います。
ですが、まだシリーズは始まったばかりです。このプロジェクトに関係している皆を信頼していますので、これからだと思っています。
坂東監督
かなり厳しいレースでした。
ドライバーには本当にストレスが溜まる時間だったと思います。その状況下の中、沢山のデータを取ることが出来たのとセパン積み込み前でのノークラッシュは本当に感謝しています。チームのレベルアップやマシンセットなど。やることが沢山見えてきました。この15 番目からもっと上を目指して頑張ります。
スポンサー様には本当に申し訳ありませんがこの岡山があったから・・・と最後には言えるようなチームやマシンセットアップを目指します。セパンもヨコハマさんと相性が良いので楽しみです。
決勝順位
5月22日(日) 14:00〜(68Lap)
天気:曇|路面:ドライ|気温:23度|路温:29度
Po | No | Machine | Driver |
Time&Diff | Laps | BestLap | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 松田 次生 J.P・デ・オリベイラ | 1:41'19.273 | 68 | 1'26.756 | BS | |
2 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 0'03.336 | 68 | 1'26.568 | BS | |
3 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘 塚越 広大 | 0'07.677 | 68 | 1'26.429 | BS | 6 |
4 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | アンドレ・ロッテラー 中嶋 一貴 | 0'34.813 | 68 | 1'27.059 | BS | 16 |
5 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲 ブノワ・トレルイエ | 0'48.063 | 68 | 1'27.407 | BS | 40 |
6 | 46 | S Road MOLA GT-R | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 0'50.958 | 68 | 1'27.308 | MI | 2 |
7 | 1 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史 ロイック・デュバル | 0'52.495 | 68 | 1'26.885 | BS | |
8 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路 平手 晃平 | 1'00.306 | 68 | 1'27.406 | BS | 12 |
9 | 24 | ADVAN KONDO GT-R | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 1'22.305 | 68 | 1'27.452 | YH | 8 |
10 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍 中山 友貴 | 1'24.166 | 68 | 1'27.374 | DL | |
11 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 1'25.033 | 68 | 1'27.575 | BS | 30 |
12 | 8 | ARTA HSV-010 | 武藤 英紀 小林 崇志 | 1'25.257 | 68 | 1'27.625 | BS | 4 |
13 | 39 | DENSO SARD SC430 | 石浦 宏明 井口 卓人 | 1Lap | 67 | 1'27.503 | MI | 10 |
14 | 35 | D'STATION KeePer SC430 | 脇阪 寿一 アンドレ・クート | 1Lap | 67 | 1'27.163 | BS | |
15 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 片岡 龍也 荒 聖治 | 2Laps | 66 | 1'28.081 | YH | 22 |
GT500 規定周回数:47 |
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
□開始時刻:14:02'47/終了時刻:15:44'06
□出走台数:37台/完走台数:35台
○決勝ベストラップ
GT500 - 1'26.429 : No.17 KEIHIN HSV-010 (塚越 広大)
※No.17,No.38 2011 SUPER GT Sporting Regulation 第30条 1.a(接触行為)により、ドライビングスルーペナルティを課した。