Round.5 SUZUKA RACE REPORT
2012 AUTO BACS SUPER GT [Pokka 1000Km RACE]
■開催日:2012年 8月18日〜 8月19日
■コース:鈴鹿サーキット(全長5.807km)
■天候:<予選> 晴 <決勝> 晴
■路面コンディション:<予選>ドライ <決勝>ドライ
■チーム:LEXUS TEAM WedsSport BANDOH
■車名:WedsSport ADVAN SC430
■ドライバー:荒 聖治 / アンドレ・クート
■監督:坂東 正敬
■観客動員数:予選 25,000人/ 決勝 35,500人
最後尾からの追い上げ、6位フィニッシュしポイント圏内に食い込む
真夏の伝統レース「POKKA1000km RACE」がSUPER GTに組み込まれ、2008年ぶりに本来の1000km RACEという長丁場の姿を取り戻した今年、「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」は予選ではコースオフによるタイム未計測、最後尾スタートとなるが、決勝では過酷なレースを乗り切り、6位でフィニッシュ。SUPER GT後半戦に向けて新たなスタートを切った。
予選 [Pokka 1000Km RACE]
■8月18日(土)予選 【--位/-分--秒---】
公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ
決勝の大事なポジションを占う予選日は、曇り空。多少は気温も低めだが蒸し暑い事には変わりなく、立っているだけで汗が滲むような天候で迎えた。
朝のフリー走行では、マシンのセッティングのためにピットイン、ピットアウトを繰り返し、短い時間のなかで、セッティングを固め12位でフリー走行を終えた19号車「WedsSport ADVAN SC430」。
そして、ピットウォークを挟み、すっかり雲は晴れ暑さがました14:00、まずは300クラスのQ1が始まった。ピットでは、Q1に挑むアンドレ・クート選手が300クラスの走りをモニターで確認し、コースの状況を伺いながら戦闘態勢を整える。そして14:15に500クラスのボードがコントロールタワーから提示されるが、アンドレ・クート選手は、ライバルと足並みをそろえて、その7分後にコースイン。ここまで好調な走りを見せていたアンドレ・クート選手は、果敢にコースを攻めアタックを開始するが、デグナ―コーナーで痛恨のコースオフを喫してしまう。このコースオフにより、赤旗が出され、19号車「WedsSport ADVAN SC430」はこの時点で失格。悔しくも翌日の決勝は最後尾からのスタートとなってしまう。
しかし、このアタックでセクター1までは、トップとほぼ変わらないタイムでの攻めた走りだっただけに、悔やまれる予選となった。
予選の結果、トップは1号車「S Road REITO MOLA GT-R」、2位39号車「DENSO COBELCO SC430」、3位6号車「ENEOS SUSTINA SC430」という結果に。
予選順位
8月18日(土) 14:15〜
天気:晴|路面:ドライ
Po | No | Machine | Driver |
Q1 | Q2 | Q3 | Tire | WH | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 1'52.640 | 1'52.802 | 1'51.554 | MI | 36 |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 1'53.032 | 1'53.910 | 1'51.875 | MI | 76 |
3 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 1'53.416 | 1'53.090 | 1'51.951 | BS | 64 |
4 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 本山 哲 ミハエル・クルム | 1'53.048 | 1'53.654 | 1'51.975 | BS | 44 |
5 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 松田 次生 J・P・デ・オリベイラ | 1'53.274 | 1'53.060 | 1'52.337 | BS | 26 |
6 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 金石 年弘 塚越 広大 | 1'53.491 | 1'53.783 | 1'52.381 | BS | 44 |
7 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 中嶋 一貴 ロイック・デュバル | 1'52.557 | 1'52.835 | 1'52.529 | BS | 58 |
8 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 立川 祐路 平手 晃平 | 1'53.582 | 1'53.951 | BS | 88 | |
9 | 35 | KeePer Kraft SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 国本 雄資 アンドレア・カルダレッリ | 1'52.610 | 1'54.100 | BS | 12 | |
10 | 18 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 小暮 卓史 カルロ・ヴァン・ダム | 1'54.457 | 1'54.243 | BS | 60 | |
11 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | s | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 1'53.297 | 1'54.649 | YH | 2 | |
12 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | ラルフ・ファーマン 小林 崇志 | 1'54.648 | BS | 10 | ||
13 | 32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 道上 龍 中山 友貴 | 1'54.711 | DL | |||
14 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | s | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 1'54.764 | BS | 76 | ||
GT500 以上予選通過 | |||||||||
19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | s | 荒 聖治 アンドレ・クート | YH | 4 |
ノックアウト方式予選により順位を決定
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
○車名の後ろのS:シード権車両=シード権車両は、全ての参加条件が満たされている限り決勝レースへの出場が保証される。
Q1 開始時刻: 14:15'00 終了時刻: 14:35'10 (赤旗提示時刻14:26'50 再開時刻14:32'00)
Q2 開始時刻: 14:55'00 終了時刻: 15:05'00
Q3 開始時刻: 15:30'00 終了時刻: 15:40'00
※No.19 2012 SGT-SpR 第25条5.(赤旗原因車両)により、当該セッションタイムを抹消とした。
決勝 [Pokka 1000Km RACE]
■ 8月 19日(日)決勝【6 位】
天候:晴 | コース:ドライ | 気温32℃ | 路面温度50℃
決勝をむかえた早朝に降りだした雨は小康状態になり、フリー走行の直前に太陽が顔を出したが、雨の影響が残るコースでは全車ウエットタイヤを装着してのフリー走行となる。
19号車「WedsSport ADVAN SC430」は、荒聖治選手を乗せ、フリー走行を開始し、決勝に備えて最後のセッティングと、ピットシュミレーションを入念に行い、レースに備えた。
そして、いつもより慌ただしくスタート進行が11:25から始まり、気温32℃、路面温度50℃というコンディションでスタートした173周の決勝レースは、荒聖治選手からステアリングを握る。オープニングラップは、ややおとなし目のスタートとなったが、19号車「WedsSport ADVAN SC430」のステアリングを握る荒聖治選手は2ラップ目には100号車をパスし、14位にポジションを上げる。
そして5ラップ目には38号車が、単独のスピン。これにより38号車はピットインを余儀なくされてしまう。そして、その直後には300クラスのマシンがヘヤピンで接触によるクラッシュした映像が映し出され、レースは徐々に荒れ始めた。しかし、この波乱は、まだまだ序の口といったところか、9ラップ目には36号車がタイヤバーストによるリタイヤなど、次々にトラブルが出始める。
その混乱状態を避けるように19号車「WedsSport ADVAN SC430」は順調にラップを重ね、ピットインした33ラップ目には、ポジションを8位で荒聖治選手からアンドレ・クート選手に代わり、戦列に復帰。そしてピットアウトしたところで、12位にポジションを置き、レースを順調に展開するアンドレ・クート選手。そしてやっと4分の1が消化した49ラップ目、今度は6号車がバーストしてしまい、戦線離脱。そして、19号車「WedsSport ADVAN SC430」はこれを尻目に11位にポジションを上げる。
そして、59ラップ目に、今度は8号車と52号車が接触し、激しくクラッシュ。これにより、61ラップ目にはセーフティーカーが導入され、レースは仕切り直しに。この時点でドライバー交換するチームなど、様々な作戦が慌ただしく取られるが、19号車「WedsSport ADVAN SC430」は、予定通りの69ラップ目にピットイン。再び、荒聖治選手がコースイン。
一連のセーフティーカー導入の混乱で、ピットに入らなかった作戦が功を奏し、19号車「WedsSport ADVAN SC430」はこのピットインを終了した時点でも8位にポジションを置き、着実にポジションを上げ、安定したラップタイムで走行を重ねる。そして、81ラップ目には前を走る39号車がマシントラブルでリタイヤし、コース脇にマシンを停める。更には23号車もタイヤにトラブルを抱え、ピットイン。100号車もラジエタートラブルなどで、修復を余儀なくされ、トップを走っていた17号車もタイヤがバーストしてしまい、ピットイン。レースは100ラップを待たずにマシントラブルやバーストが相次ぎ、ノートラブルで戦うマシンは19号車「WedsSport ADVAN SC430」を含めほぼ半分にまで減少した。
しかし、100ラップを超えたころには、それでもレースは落ち着きを取り戻し、19号車「WedsSport ADVAN SC430」は、ポジションを5位まに上がり、104ラップ目に3回目のピットイン。ステアリングは再びアンドレ・クート選手に託された。
2スティント目になるアンドレ・クート選手は、疲れを見せることなく、安定したラップタイムで、走行を重ねる。そして、最後のピットインが予定通りの139ラップ目。滑り込むようにピットインしてきたアンドレ・クート選手に代わり、再び荒聖治選手がゴールに向けて戦列に加わる。
ピットアウトした時点でも7位にポジションを確保し、荒れた路面状況だが、着実な走りでレースを展開した荒聖治選手。だが、158ラップ目、17号車が130Rで激しく回転しながらクラッシュし、その破片が19号車「WedsSport ADVAN SC4360」の左フロントバンパーを直撃!しかし、幸いにもフロントバンパーが割れたくらいにとどまり、走行には問題なし。そして、このクラッシュにより再びセーフティーカーが導入され、体列を組み直し、レース再開。
19号車「WedsSport ADVAN SC430」を操る荒聖治選手は、残りの周回を着実に走り切り173ラップ1000kmにも及ぶ過酷なレースを、6位でチェッカーをうけ、チームを入賞圏内へと導いた。
4年ぶりの1000kmレースの覇者は1号車「S Road REITO MOLA GT-R」、2位35号車「KeePer Kraft SC430」、3位24号車「D’station ADVAN GT-R」。
決勝後のコメント
荒 聖治選手
予選で結果が残らなかったのは残念ですが、富士テストからセットアップに力を入れてきたので、決勝ではそこそこ良いペースで戦えたと思います。チームで立てた4ストップ作戦もうまくできたし、ミスなくレースが運べたのもよかったですね。表彰台には届かず、残念ですが、次の富士ではチャンスがあれば、表彰台を狙います。
アンドレ・クート選手
最後尾からのスタートでしたが、競争力のあるペースで6位フィニッシュすることができました。マシン、タイヤとも良いペースでコンスタントにプッシュでき、また4ストップ作戦でレースを終えられたのも良かったです。この調子で次戦富士(9月8−9日)では更に上位を狙っていきます!
坂東 正敬監督
悔しいですが、これが結果です。4STOPが成功だったか?どうかはわかりませんが もう少し後半はプッシュできたような気がします。しかし、やっと他力本願ではありますが、レースがミスなくできているので次の富士が楽しみです。富士の課題は予選です。 今回は長丁場のレースでしたがたくさんの応援ありがとうございました。 次の富士もよろしくお願いします。
決勝順位
8月 19日(日) 12:30〜(173Lap)
天気:曇|路面:ドライ|気温:32℃|路温:50℃
Po | No | Machine | Driver |
Time&Diff | Laps | BestLap | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 柳田 真孝 ロニー・クインタレッリ | 5:59'01.662 | 173 | 1'54.795 | MI | 36 |
2 | 35 | KeePer Kraft SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 国本 雄資 アンドレア・カルダレッリ | 15.076 | 173 | 1'55.855 | BS | 12 |
3 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 安田 裕信 ビヨン・ビルドハイム | 16.583 | 173 | 1'55.803 | YH | 2 |
4 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 松田 次生 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 17.206 | 173 | 1'56.006 | BS | 26 |
5 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / VRH34B | 本山 哲 ミハエル・クルム | 30.543 | 173 | 1'55.579 | BS | 44 |
6 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 荒 聖治 アンドレ・クート | 31.549 | 173 | 1'56.640 | YH | 4 |
7 | 8 | ARTA HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | ラルフ・ファーマン 小林 崇志 | 1Lap | 172 | 1'56.407 | BS | 10 |
8 | 18 | ウイダー HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 小暮 卓史 カルロ・ヴァン・ダム | 1Lap | 172 | 1'55.739 | BS | 60 |
9 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 立川 祐路 平手 晃平 | 3Laps | 170 | 1'55.323 | BS | 88 |
10 | 17 | KEIHIN HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 金石 年弘 塚越 広大 | 17Laps | 156 | 1'56.147 | BS | 44 |
11 | 100 | RAYBRIG HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 伊沢 拓也 山本 尚貴 | 20Laps | 153 | 1'55.579 | BS | 76 |
GT500 規定周回数:121 | ||||||||
39 | DENSO KOBELCO SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 脇阪 寿一 石浦 宏明 | 92Laps | 81 | 1'56.517 | MI | 76 | |
6 | ENEOS SUSTINA SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 伊藤 大輔 大嶋 和也 | 123Laps | 50 | 1'57.019 | BS | 64 | |
32 | EPSON HSV-010 Honda HSV-010 GT / HR10EG | 道上 龍 中山 友貴 | 139Laps | 34 | 1'57.307 | DL | ||
36 | PETRONAS TOM'S SC430 LEXUS SC430 / RV8KG | 中嶋 一貴 ロイック・デュバル | 164Laps | 9 | 1'57.336 | BS | 58 |
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
□開始時刻:12:35'34/終了時刻 : 18:34'35
□SC(1回目)導入時刻 : 14:37'10(61Laps)/解除時刻 : 14:51'58(65Laps)
□SC(2回目)導入時刻 : 17:57'37(157Laps)/解除時刻 : 18:11'21(161Laps)
□出走台数:15台/完走台数:11台
○決勝ベストラップ: 1'54.795 No.1 S Road REITO MOLA GT-R/ロニー・クインタレッリ
※No.1 スポーツマン精神に反する行為のため黒/白旗が提示された。。
※No.17 スポーツマン精神に反する行為のため黒/白旗が提示された。
※No.12 スポーツマン精神に反する行為のため黒/白旗が提示された。
※No.8 2012 SGT-SpR 第30条1-b.(危険なドライブ行為)違反により、ペナルティストップ30秒を課した。