Round.4 THAI RACE REPORT
2018 AUTO BACS SUPER GT [Chang SUPER GT RACE]
■開催日:2018年 6月 30日〜 7月 1日
■コース:タイ チャン・インターナショナルサーキット
(全長4.554km)
■天候:<予選> 晴 <決勝> 晴
■路面コンディション:<予選>ドライ <決勝>ドライ
■チーム:LEXUS TEAM WedsSport BANDOH
■車名:WedsSport ADVAN LC500
■ドライバー:国本 雄資/ 山下 健太
■監督:坂東 正敬
■観客動員数:予選 9,417人/ 決勝 20,219人
SUPER GT 第4戦は国内からタイに舞台を移し開催された。唯一の海外戦となる今大会は、昨年の10月とは違い、通常通りハンデウエイトでおこなわれた。LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは2016の再現を目指し、タイ大会に望んだ。
予選前のフリー走行ではドライコンディションで9位。トップからコンマ7秒の中に10台が入る大混戦のフリー走行だった。しかし、予選前に雨が降り、微妙なコンディションの中Q1が行われた。ウェットタイヤで8位を走行するが山下選手の判断でドライタイヤに変更し、時間内最終アタックに賭けた。山下選手の判断通り、路面は完璧ではないがドライコンディションになり、最終ラップに1’28.459を叩き出し6番手にポジションアップし、無事に国本選手にバトンを渡す事ができた。国本選手はコースレコードを叩き出すが6番手のまま予選を終えた。
マシン、タイヤの感触がとても良い状態で、決勝を迎え、6番手スタートでポジションを落とす場面も見られたが山下選手の素晴らしいオーバーテイクで3位まで浮上。3位で国本選手にバトンを渡し、国本選手がトップを目指し、追撃を開始した。トップとの差が5秒以内と会場を沸かせたが後方より36号車関口選手の怒涛の追い上げで4位となってしまうがチームは最後まで諦めず、最終ラップに3位をゲットしそのままチェッカーを受ける事になった。
優勝とは行かなかったが今季初表彰台獲得でチームの雰囲気は良いまま、後半戦を迎える事になった。
予選 [Chang SUPER GT RACE]
■ 6月 30日(土)予選 【6位/1'24.053】
天候:晴|コース:ドライ
タイに到着と同時に暑さを感じる6月のブリラム
唯一の海外戦となるタイ(ブリラム県/チャン・インターナショナル・サーキット)はチームがサーキット入りした水曜日から週末にかけても、1日に1回は雨が降るという日が続いていた。
公式スケジュールが始まった30日(土)は、朝から太陽が照りつけ、気温33度、路温44度と上がっていく中、公式練習は開始された。
まずは国本選手がコクピットに収まった。路面状況が悪いと判断したチームは公式練習開始10分後に国本選手をコースに送り出した。
マシンチェック、無線チェック、をこなし14周目に1’24.384のタイムを叩き出し番手に浮上する。その後各チーム、タイムを上げて行き、激戦が予想されるフリー走行となった。
山下選手に変わり、ロングランテストを行い、GT500の占有走行になった。山下選手は1’24.009を叩き出し9番手に。トップは3号車の1’23.349で昨年より確実にタイムアップが予想される中フリー走行は終了した。3→8→36の順でフリー走行が終了し各メーカーの争いも拮抗した結果となった。
Q2に進むためには8位以内に入らないといけない。コースコンディションは直前のスコールで15分ディレイとなっていたが路面は微妙な状況になっていた。GT300のQ1はウェットコンディション。路面はまだ濡れている。昨年のスタートはスリックタイヤで勝負した事が脳裏を過る。まずはウェットタイヤで山下選手がアタック。路面は乾いていく中、8番手を獲得。しかし他車がスリックタイヤに交換の為、このまま路面が乾き出すとQ2には進めない。山下選手に無線を入れるとスリックタイヤで行けるとコメントが来た。すぐにピットに入れ残り時間7分で再度アタック。路面温度が低い中、タイヤを上手く温めてくれて最終ラップに1’28.459のタイムを叩き出し6番手に浮上した。その後は更新するマシンが無かったため6番手でQ2にバトンを繋いだ。
そしてQ2はドライコンディションの中、国本選手がアタックし7番手だったが最終ラップに1’24.053のタイムを出し、ポジションアップで6位と言う結果になった。
Q2の結果、1位 16号車 MOTUL MUGEN NSX、2位17号車 KEIHIN NSX、3位39号車 DENSO KOBELCO LC500と言う予選結果になった。
予選後の監督・ドライバーコメント
国本 雄資選手
予選6番手でした。
僕はQ2を走って、予選始まる前に天気が悪くなって雨が降って、朝のフリー走行とはだいぶ違うコンディションでした。
ドライだったのですが、路面温度で20℃近く下がってしまっていて、本来のタイヤのパフォーマンスをフルに発揮できませんでした。
ただ、僕たちは決勝に向けてはかなりポジティブなタイヤを選んでいると思うし、6番手からですが、必ず追い上げられると思います。
フリー走行でも決勝を見越したロングランのペースもみれているので、良い戦いができると思います。
山下 健太選手
今日は予選6番でした。
自分はQ1を担当しました。Q1の前に急に雨が降って、上がって乾いていく中のQ1でした。最初レインタイヤでしたが、途中でドライに変わってギリギリでQ1は通りました。
結果6番ですが、選んでいるタイヤが決勝用に硬いので明日は期待できると思います。
坂東 正敬監督
予選は山下選手の判断で6位を獲得しました。僕らは決勝のコンディションが凄く暑くなると予想しているのでこのポジションは悪くないと思っています。
2016の再現が出来るように決勝に向けて戦略等を考えたいと思っています。
LEXUSは相性が良いサーキット。横浜ゴムも3台全てがQ2に進出していますし、ライバルはレクサスと横浜ゴムだと思っています。明日がとても楽しみです。
織戸学 エクゼクティブアドバイザー
今回のタイは2年前に19号車が優勝したことのあるコースですので、チームもタイヤメーカーもいい感触を持ってサーキット入りしています。
フリー走行からかなり思い通りの流れがあり、数字だけ見ると負けているところもありますが、非常にいい形でQ1を迎えました。
ただQ1前にスコールが来てしまい心配したのですが、うまくGT500のタイミングでは後半ドライで入れるところまで回復しQ2進出出来ました。もちろん6番手ですが、僕らのチョイスしたタイヤが非常に明日の決勝にはかなりいいコンディションでばっちり合うのではないかと思っております。
非常に明日は良い流れでスタートを切れると思いますので、是非2年前の感動を明日チームみんなで分かち合えることを望みます。
予選順位
6月 30日(土) 15:20〜
天気:晴|コース:ドライ
Po | No | Machine | Driver |
Q1 | Q2 | Tire | WH | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 |
|
武藤 英紀 中嶋 大祐 |
1'28.405 |
|
2 | |||
2 | 17 |
|
塚越 広大 小暮 卓史 |
1'27.651 |
|
42 | |||
3 | 39 |
|
ヘイキ・コバライネン 小林 可夢偉 |
1'28.542 |
|
30 | |||
4 | 24 |
|
J.P.デ・オリベイラ 高星 明誠 |
1'27.101 |
|
14 | |||
5 | 100 |
|
山本 尚貴 ジェンソン・バトン |
1'28.315 |
|
64 | |||
6 | 19 |
|
国本 雄資 山下 健太 |
1'28.459 |
|
4 | |||
7 | 12 |
|
佐々木 大樹 ヤン・マーデンボロー |
1'27.015 |
|
26 | |||
8 | 8 |
|
野尻 智紀 伊沢 拓也 |
1'29.730 |
|
48 | |||
9 | 3 |
|
本山 哲 千代 勝正 |
1'30.228 |
|
18 | |||
10 | 36 |
|
中嶋 一貴 関口 雄飛 |
1'30.653 |
|
28 | |||
11 | 6 |
|
大嶋 和也 F.ローゼンクヴィスト |
1'30.811 |
|
28 | |||
12 | 1 |
|
平川 亮 ニック・キャシディ |
1'31.039 |
|
52 | |||
13 | 38 |
|
立川 祐路 石浦 宏明 |
1'31.064 |
|
36 | |||
14 | 64 |
|
ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 |
1'31.524 |
|
2 | |||
15 | 23 |
|
松田 次生 ロニー・クインタレッリ |
1'31.588 |
|
62 | |||
GT500 以上予選通過 |
ノックアウト方式予選により順位を決定
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
○車名の後ろのS:シード権車両=シード権車両は、全ての参加条件が満たされている限り決勝レースへの出場が保証される。
R:コースレコード(従来のレコード 1'24.307)
□Q1 開始時刻: 15:35'00/終了時刻 : 15:50'00
□Q2 開始時刻: 16:18'00/終了時刻 : 16:28'00
決勝 [Chang SUPER GT RACE]
■ 7月 1日(日)決勝【3位】
天気:晴 | 路面:ドライ | 気温 32℃ | 路面温度 47℃
SUPER GT 第4戦 タイ 決勝。今年5年目を迎えたタイ・チャンインターナショナルサーキット。2016年の再現を期待してスタートの時間を待っていた。
スタートドライバーは山下選手。タイと日本の国歌がサーキットに流れ、定刻通り15時にフォーメーションラップがスタート。
序盤にポジションを落としてしまう19号車だが、タイヤが温まってからは山下選手の勢いある走りで前を行く12号車を交わし、100号車を交わし、その勢いは止まらない。
トップ16号車とは6秒のギャップ。諦めることなく山下選手の追撃は始まる。11周目、17号車と24号車がバトルしてる最中、若干2台が膨らんだとこを狙い、一気に2台をパスする事に成功。これで3位に上がる。
31周目、トップ39号車がピットに入る前に19号車がピットへ。素早いピットワークで国本選手を送り出す事に成功。
国本選手のアウトラップも15台中トップタイムで前との差を縮めて行く。その後ファステストラップを叩き出し、国本選手の勢いは止まらない。
6号車は35周目、39号車は36周目にピットへそしてドライバー交代。全車ドライバー交代後、19号車は3位。トップとの差6秒。三つ巴の戦いになると想定した戦いに、後方よりもの凄い勢いの36号車関口選手が追いついてくる。36号車は19号車を交わし、6号車を交わしトップ争いで会場を沸かせる。
最終ラップ、不運にも36号車がストップしてしまう。19号車は36号車を抜き、得意のタイラウンドを3位表彰台と言う形でチェッカーを受けた。
終わってみればレクサスデーだった。
優勝は39号車DENSO KOBELCO SARD LC500、2位6号車WAKO'S 4CR LC500、3位19号車WedsSport ADVAN LC500、4位38号車ZENT CERUMO LC500で1位から4位までがレクサスと言う形で第4戦が終了した。
次戦ホームコースの富士での500マイルレースには勢いが復活した19号車に注目が集まる。応援ありがとうございました。
決勝後のコメント
国本 雄資選手
タイ3位表彰台を獲得しました。
前半スティントで山下選手がすごい頑張って追い上げてくれたので、ピット後に3番手でコースに戻り、ファステストを更新しながら前に追いついていきました。しかし36号車に抜かれてしまい4位を走行していました。最後ラッキーもあり3位でレースを終えることが出来ました。
今回予選前に雨が降ったり、難しいコンディションの中、山下選手も頑張ってくれたし、チームもピットワークを速く送りだしてくれたので、本当にみんなの頑張りがあり3位を取れました。
CLUB19の皆さん、はじめ多くの方にタイに応援に来ていただけて、そういう声援がすごく力になりました。次戦また富士で500マイルの長いレースがあります。そこでもチーム一丸となり優勝目指して頑張ります。今後も応援よろしくお願いします。
山下 健太選手
まず、応援ありがとうございました。今回のタイラウンドは予選前のスコールなどもありましたが、6番手からスタート出来ました。
スタートは前を狙っていましたが、後ろに抜かれてしまいダサかったです。しかし、そのあとのペースは周りの車より速く3台ぐらい抜くことが出来ました。ピットもチームの皆さんがとても速くしてくれ、国本選手もすごく速くて、ラスト1周にいろいろあり3位になりました。個人的には反省点もありますが、いままで流れがよくなかったのが、今回の3位で流れがよくなったと思います。
次戦もこの流れのままいければと思います。
坂東 正敬監督
今回はまだまだ足りない事が沢山あると実感しましたが、このタイに来る前にタイヤテストを行い、持ち込んだタイヤを有効的に使用出来たので、まずこのタイヤを作ってくれた横浜ゴムさんに感謝をしています。目的や方向性なども本当に今後に期待が出来るタイヤでした。
そして開発ドライバーを務めた、国本、山下両選手の開発能力にも感謝しています。自分たちで作ったタイヤで表彰台に乗れたので本当に嬉しいです。
そしてGT500の中で一番速かったピットはメカニックの日頃の練習の成果だと思います。今回のピットワークは素晴らしかった。絶対にピットで前に出すと言う気持ちが結果で現れて本当に良かったです。
みんなの頑張りで獲た3位なので次は表彰台の真ん中を狙いに行きます。
今回も沢山の応援ありがとうございました。次戦もウェッズ号の応援宜しくお願い致します。
織戸 学エグゼティブアドバイザー
皆さん応援ありがとうございました。今回ピットから見ていてとても興奮したレースでした。
レクサスチームがすべて表彰台をとったのもうれしいのですが、なによりも山下選手の素敵なスタートからの追い上げ、そしてピットワークの速さからの国本選手の非常に素晴らしい安定した走りで、GT500ならではの素晴らしいバトルの中での表彰台だったので、チームの努力が今回形になったのだと思っております。
これからまた後半戦に向けて19号車は頑張ってくれると思いますので、応援宜しく御願い致します。
決勝順位
7月 1日(日) 15:00〜(66Lap)
天気:晴 | 路面:ドライ | 気温 32℃ | 路面温度 47℃
Po | No | Machine | Driver |
Laps | BestLap | Time&Diff | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
ヘイキ・コバライネン 小林 可夢偉 |
66 | 1'25.548 | 1:36'42.825 | 30 | |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
大嶋 和也 F.ローゼンクヴィスト |
66 | 1'25.412 | 2.860 | 28 | |
3 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
国本 雄資 山下 健太 |
66 | 1'25.132 | 12.969 | 4 | |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
立川 祐路 石浦 宏明 |
66 | 1'25.355 | 38.836 | 36 | |
5 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E |
武藤 英紀 中嶋 大祐 |
66 | 1'25.526 | 42.813 | 2 | |
6 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A |
佐々木 大樹 ヤン・マーデンボロー |
66 | 1'25.833 | 43.449 | 26 | |
7 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E |
塚越 広大 小暮 卓史 |
66 | 1'26.219 | 1'05.798 | 42 | |
8 | 1 | KeePer TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
平川 亮 ニック・キャシディ |
66 | 1'25.966 | 1'06.628 | 52 | |
9 | 64 | Epson Modulo NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E |
ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 |
66 | 1'25.979 | 1'10.271 | 2 | |
10 | 36 | au TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG |
中嶋 一貴 関口 雄飛 |
65 | 1'24.977 | 1 Lap | 28 | |
11 | 100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E |
山本 尚貴 ジェンソン・バトン |
65 | 1'26.150 | 1 Lap | 64 | |
12 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A |
松田 次生 ロニー・クインタレッリ |
65 | 1'26.225 | 1 Lap | 62 | |
13 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A |
本山 哲 千代 勝正 |
65 | 1'26.360 | 1 Lap | 18 | |
GT500 規定周回数:47 | ||||||||
8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E |
野尻 智紀 伊沢 拓也 |
35 | 1'26.771 | 31 Laps | 48 | ||
24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A |
J.P.デ・オリベイラ 高星 明誠 |
22 | 1'26.304 | 44 Laps | 14 |
□タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/YH:ヨコハマ
□WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
□規定周回数 : 66Laps
□開始時刻 : 15:03'28/終了時刻 : 16:40'11
□出走台数 : 15台/完走台数 : 13台
○ファステストラップ: 1'24.977 No.36 au TOM'S LC500/関口 雄飛
※No.3 本山哲 \30,000 fine (Appendix L「Crossing of white line」)
※No.24 J.P.デ・オリベイラ Reserve penalty enforcement (SpR.13-1a「Dangerous driving Contacts」)