2003年AUTOBACS JGTC Round2

公式予選レポート / 公式予選リザルト  / 決勝リザルト

魔の100R!クラッシュで青木選手がドクターストップのため無念の決勝不参加
■予選日:2003年5月3日
■天候:晴れ
■車名:ウェッズスポーツMR−S
■監督:坂東正明
■コース:富士スピードウェイ(全長4,40m)
■路面コンディション:ドライ
■観客動員数 37,000人
■ドライバー:青木孝行/田中実
公式予選
予選1回目 総合45位 GT300クラス27位 1分40秒638
予選2回目 出走せず --- ---
予選結果 予選不通過 --- ---

 MR−S最後のレース、自戦の第3戦スポーツランド菅生からマシンをトヨタ・セリカに変更するレーシングプロジェクトバンドウは、MR−S最後のレースを有終の美で終えるために最後のレースであるにもかかわらず積極的にマシン開発を進めていた。今年のタイヤにマシン特性を合わせるために足回りの変更をし、ボディ下面も今年のレギュレーションに合わせたフラットボトム仕様に改造。今、我々に出来るすべての事をして富士を迎えるためである。限られた走行時間の中、他チームより早くサーキットに入り、GT300クラスで許されているスポーツ走行の時間を有効に使ってマシンのセットアップを進め予選に向け万全の体制を敷いていた。
 予選1回目、GT500のマシンが次々とコースインし最初のタイムアタックに入っていく中、青木選手はマシンに乗り込みじっとGT300のコースインの時間を待っていた。GT300の時間になるとゆっくりとコースインし徐々にタイヤを暖めアタックに入った。
 しかし、マシンのバランスが昨日までとちょっと違う。微妙なマシンの違いを感じながらそれでも予選アタックに入った青木選手であったが、サントリーコーナーで不覚にもスピンをしてしまった。その他にも1コーナーや最終コーナーにも止まってしまっているマシンがあったため予選は赤旗中断となり、青木選手は自走でピットに戻った。すばやくマシンにダメージはないかメカニックがチェックを行う。幸いにもマシンにダメージはなく、タイヤも問題がないため、赤旗解除と共に再びコースイン、予選時間を無駄にしないためにも積極的にタイムアタック入った青木選手であったが、100Rで突然バランスを崩しスピン、そのままガードレールにヒットしてクラッシュをしてしまった。
 そこで、再び予選は赤旗になりクラッシュしたマシンから青木選手を救い出すためにレスキューがコースに入って行く。青木選手からは無線で連絡が入っていたので大きな怪我がないことはわかっていたが、なかなか青木選手がマシンから救出されないためにピットには一瞬緊張が走った。その後マシンから救出された青木選手はドクターの診察を受け脳震盪を起こしている事が判明。大事を取ってサーキットの医務室で休息を取ってから近くの病院で精密検査を受けたが、幸いにも骨などに異常はなかった。
 しかし、マシンはリアを大破してしまい明日の決勝まで修復するのはかなりの時間と労力が必要に思われたが、メカニックは修復に向けての準備を進めていたが、しかし、精密検査を受け大きな怪我はなかった青木選手であったが、クラッシュをした時に2度の脳震盪を起こしていた青木選手は、GT−Aドクターと医師団の判断によりドクターストップになり、決勝レースへの出場は不可能になってしまった。

 MR−S最後のレースを決勝レース不参加という形で終える事になってしまいフラストレーションが溜まってしまったレーシングプロジェクトバンドウのスタッフは、この借りは必ず返す!セリカのデビューレースを優勝で飾り、序盤で出遅れた今シーズンのチャンピオン争いへ向け、監督の坂東以下スタッフ一同一丸となってトヨタ・セリカの製作を進めていますので、皆様の ご支援よろしくお願い致します。

コメント
坂東監督 坂東監督
「木曜、金曜と走ってみた感触から、予選では31、32秒台を狙えるセッティングで勝負したんだけど、結果的にそれが大きく裏目に出てしまった。MR−Sの最後のレースだったので、何とか結果を出したかったけど。おそらくマトモにいけたら、いいところにいけたんじゃないかなと思うし、今回の1位と2位の2台(No.26、No.3)ともいい勝負ができたはずだ。まぁ、セリカを投入する菅生から仕切り直しだね。ここまで2戦、いいところがなかったから、まずは1度(菅生で)転がしてみて、後半戦で一気に挽回するつもりなので楽しみにしてください。」
青木孝行 青木孝行
「クラッシュした周の記憶が飛んでいるので、その時のことはよく覚えていません。アタックに行っている途中、監督に、『クルマのバランスがおかしい』って無線で言ってきたのは何となく覚えているんだけど……。決勝に向けて、セッティングが少しずつ進んでいって、金曜の夜にそれを変更したんだけど、結果的に、望んだところにクルマを持っていくことが出来ませんでした。とにかく、菅生から仕切り直し。自分は開幕戦から、気持ちはセリカだったので、とても楽しみにしています。ワクワクするようなクルマに仕上がると思っているので、次からいよいよ本領発揮といきたいです。」
田中実 田中実
「今回がMR−Sでの最後のレース。自分が開発の時からずっと携わってきた、思い入れの深いマシンだっただけに、走れなかったこと、また結果を残せなかったことは非常に残念です。ただ、次戦の菅生はもう目の前。現状では、新しく投入するセリカに乗れるのは、おそらくレースウィークになると思うけど、今回の無念の分も次回の菅生で晴らすつもりですので応援してください。」


予選リザルト
総合
順位
カー
No
クラス
順位
マシン ドライバー Session 1 Session 2 タイヤ ウエイト
1 38 500-1 auセルモスープラ 竹内浩典/立川祐路* R1'23.969 R1'23.886 BS 10
2 36 500-2 WOODONE トムススープラ 土屋武士*/E.コマス* 1'24.490 R1'24.255 MI  
3 22 500-3 モチュールピットワークGT-R 影山正美/R.ライアン 1'24.776 R1'24.282 BS  
4 35 500-4 プロジェクトμエスペリア スープラ 服部尚貴*/脇阪薫一 1'24.620 1'24.363 DL  
5 37 500-5 ZENT トムススープラ 黒澤琢弥/M.アピチェラ* 1'24.672 1'24.409 MI 1
6 1 500-6 エッソウルトラフロー スープラ 脇阪寿一*/飯田 章 1'24.578 1'24.431 BS 60
7 39 500-7 デンソーサードスープラGT D.シュワガー*/織戸 学 1'24.444 1'24.556 YH  
8 23 500-8 ザナヴィ ニスモ GT-R 本山 哲/M.クルム* 1'24.807 1'24.621 BS 50
9 25 500-9 ADVANスープラ J.デュフォア*/野田英樹 1'24.999 1'24.625 YH 10
10 12 500-10 カルソニックスカイライン B.トレルイエ*/井出有治 1'25.098 1'24.692 BS  
11 16 500-11 G'ZOX無限NSX 伊藤大輔*/T.コロネル 1'25.132 1'24.896 BS 10
12 18 500-12 TAKATA童夢NSX 道上 龍*/S.フィリップ 1'25.306 1'25.163 BS 20
13 64 500-13 Mobil1 NSX 松田次生*/木暮卓史 1'25.678 1'25.229 BS  
14 100 500-14 RAYBRIG NSX 加藤寛規/光貞秀俊* 1'25.761 1'25.734 BS 1
15 76 500-15 イエローコーンマクラーレンGTR 五十嵐勇大*/田嶋栄一 1'26.036 1'26.686 DL  
16 8 500-16 ARTA NSX 土屋圭市/金石年弘* 1'26.299 1'26.070 BS 1
17 62 500-17 Vemac R&Dダンロップ350R 柴原眞介*/密山祥吾 1'28.436 1'29.325 DL  
18 88 500-18 ノマド ディアブロ JGT-1 古谷直広/WADA-Q* 1'30.525 1'28.950 DL  
19 9 300-1 正義の味方 覆面レーサーX MT 菅 一乗*/筒井克彦 1'32.535 R1'31.356 YH  
20 3 300-2 ハセミスポーツ・エンドレス・Z 木下みつひろ*/柳田真孝 1'32.714 R1'31.662 YH 10
21 26 300-3 PLUS e タイサン アドバン GT3R 山路慎一*/西澤和之 1'32.334 R1'31.685 YH 30
22 2 300-4 リニューカー・ベルノ東海NSX 高橋一穂/渡辺 明* 1'32.869 1'32.181 YH 10
23 11 300-5 JIM RodeoDrive アドバンF360 松田秀士/田中哲也* 1'32.905 1'32.507 YH 1
24 31 300-6 RECKLESS MR-S 佐々木孝太*/後藤 聡 1'33.262 1'32.685 BFG 20
25 43 300-7 ARTA Garaiya 新田守男*/高木真一 1'33.265 1'32.709 BFG  
26 24 300-8 EndlessタイサンアドバンGT3R A.ウィルコック*/浅井亮博 1'33.431 1'32.861 YH 50
27 77 300-9 クスコスバルADVANインプレッサ 小林且雄/谷川達也* 1'33.506 1'32.972 YH  
28 5 300-10 BANPRESTO B-1 マッハ号GT 320R 玉中哲二*/三船 剛 1'34.112 1'33.069 YH  
29 34 300-11 DENTAIRE MR-S 西澤誠剛/松田晃司* 1'33.359 1'33.179 BFG 1
30 7 300-12 雨宮マツモトキヨシアスパラRX-7 谷口信輝*/大井貴之 1'33.517 1'33.286 YH  
31 71 300-13 シグマMR-S Guts城内/澤 圭太* 1'34.134 1'33.330 DL  
32 69 300-14 FK/Massimo ADVANポルシェ 山岸 大*/位高 敬 1'33.746 1'34.099 YH  
33 910 300-15 910 BORO アドバンポルシェ 平川 晃*/宮川やすお 1'34.185 1'33.943 YH  
34 81 300-16 ダイシンADVANシルビア 星野一樹*/植松忠雄 1'34.584 1'34.122 YH  
35 17 300-17 Kosei SPIRIT MR-S 松永まさひろ*/長島正興 1'34.890 1'34.542 YH 1
36 55 300-18 ECLIPSE タイサン ADVANバイパー 山田英二/木下隆之* 1'34.764 1'37.664 YH 1
37 15 300-19 AMPREX BMW M3GT 橋本元次/C.クワン* 1'35.024 1'35.341 BFG  
38 51 300-20 C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビア 尾本直史/加藤正将* 1'35.513 1'35.119 YH  
39 61 300-21 R&DスポーツダンロップGT3R 勝間田敦*/岸 剛之 1'35.664 1'35.350 DL  
40 911 300-22 高見沢バイタルポイントGT3R 高見沢一吉/砂子塾長* 1'37.068 1'35.706 YH  
41 21 300-23 ダンロップ BMW M3GT 一ツ山康/滑川 健* 1'36.423 1'36.868 DL  
42 70 300-24 外車の外国屋ダンロップポルシェ 石橋義三/清水 剛* 1'37.374 1'36.596 DL  
43 111 300-25 ARKTECHダンロップGT3 飯島寛也/芳賀重光* 1'37.959 1'36.600 DL  
44 10 300-26 レイジュン・ダンロップ GT-1 OSAMU*/倉嶋新一 1'37.966 1'39.059 DL  
以上予選通過
  19 300 ウェッズスポーツMR-S 青木孝行*/田中 実 1'40.638 出走せず YH  
参加台数:45台/出走台数:45台
予選通過基準タイム(107%) GT500:1'30.031/GT300:1'24.303
タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/BFG:BFグッドリッチ
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)/ +1:性能引き上げ措置(1ランク)
R:コースレコード
赤旗中断時間 公式予選1回目 11:56〜12:10 12:16〜12:30
※ 公式予選1回目 No.19(1st-Dr)はH項違反(黄旗区間でのスピン)により訓戒及びベストラップタイム削除のペナルティを課した。
※ 公式予選1回目 No.24は本大会特別規則書第26条2.違反(ピットレーン通過速度違反)により罰金50,000円のペナルティを課した。
※ 公式予選2回目 No.69-2ndは、2003年全日本GT選手権統一規則第25条1.1)及び2)違反により訓戒及び始末書提出のペナルティを課す。
☆ 大会審査委員会は、No.88-18番グリッド, No.111-43番グリッド, No.10-44番グリッドの決勝レース出場を認める。
(編集部注:上記3台が片方のドライバーが基準タイムをクリアしていないことに対するもの)


ホームへ戻る



このサイトに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
すべての著作権は株式会社レーシング プロジェクト バンドウと情報提供者に帰属します。



質問・お問い合わせは フォームにご記入ください。

Copyright 2001-2003(C)RACING PROJECT BANDOH
(C)Dora communications Inc.

 
race