2003年AUTOBACS JGTC Round5

公式予選レポート / 公式予選リザルト  / 決勝レポート / 決勝リザルト

ラスト10周の攻防、2戦連続優勝の夢は、残り1周で幻に
■予選日:2003年9月14日
■天候:晴れ
■車名:ウェッズスポーツCELICA
■監督:坂東正明
■コース:ツインリンクもてぎ(全長4,800m)
■路面コンディション:ドライ
■観客動員数:45,000人
■ドライバー:青木孝行/田中実
決勝
総合結果 総合20位 GT300クラス8位 57Lap

 まるで真夏のような日ざしの「ツインリンクもてぎ」で全日本GT選手権第6戦の決勝レースが行われた。この日のサーキットは4万5,000人の観客の熱気と厳しい残暑でまさに真夏のような天候だったが、レースもその熱気に負けない激しいバトルが繰り広げられた。
 GT300クラスでは、ポールのガライヤが逃げ、これをシグマDUNLOPセリカが追う展開になっていた。ウェッズスポーツCELICAもスタートを担当する青木選手が1台また1台と徐々に順位を上げていき、ピットインのタイミングの前には3位までそのポジションを上げていた。
 はじめに動いたのはガライヤ。その後シグマDUNLOPセリカがピットイン。上位の2台がピットインしたため、ウェッズスポーツCELICAの青木選手が暫定のクラストップに立つ。ピットでは上位2台の新品タイヤでのタイムをモニターでチェックしながらピットインのタイミングを待っていた。
 いまだ! 絶妙なタイミングでドライバー交代と給油のためにピットに入ったウェッズスポーツCELICAのチームスタッフは、田中選手を完璧な作業と共にコースに送り出す事に成功、順位を1つ上げ、ガライヤを抜いて2位でトップを行くシグマDUNLOPセリカとセリカの1−2体制を築いた。
 その後田中選手は、20秒近くあった差を少しずつつめ、ラスト10周でその差を10秒にまでする事が出来たが、逆転するのは難しいように思われた。しかし、シグマDUNLOPセリカのペースが急に落ちる。これを見た田中選手は追い込みを掛け、ラスト2周でシグマDUNLOPセリカのテールを捉える。そして迎えた90度コーナー。2台は必死のブレーキング競争を試みるが、なんと頑張りすぎてコースアウト! アンラッキーな事にウェッズスポーツCELICAはグラベルにはまってしまい出られず万事休す。一方、なんとかコースに戻ったシグマDUNLOPセリカは、そのままゴールまで逃げ切って優勝を果たしたが、ウェッズスポーツCELICAは8位でレースを終えた。
コメント
坂東監督 坂東監督
「予選8位から追い上げるために、58、59秒台を想定して燃費やタイヤのライフのシュミレーションを行い、前半、青木に頑張ってもらってある程度順位を上げて3位、4位のポジションをキープ。そしてトップのガライアもしくはシグマテックのセリカがピットインをした後、500に2ラップ遅れにされた状態で、500のピットインのタイミングでコースが空いている最後5ラップを青木にプッシュしてもらった。そして、新しいタイヤのガライアやシグマテックのセリカのタイヤが温まりラップタイムで0.2秒負けた32ラップにピットインを指示。ピット作業もメカニック達が本当に完璧な仕事をしてくれて、今までにないようパーフェクトな作業ですばやく車をコースに送り出せた。田中実も期待に答えてなかなかいいタイムで周回を重ねた結果、最後の10周ぐらいからトップのシグマテックが見えてきて、タイヤのたれとかでタイムが落ちはじめた2分1秒台になって、59秒台の実が追いついたんだが、残り1周、1周と1/3かな、その時にインを取ってアタックした時にリアがロックしてスピンをしてしまった。そして、コースサイドの砂利にはまってアウト、というのが結果。まぁ、みんな頑張って、それなりのレースが出来て、シリーズを考えれば2位でも良かったかなとも思うけど、やれば出来るんだなというのがわかったからね。また速さというのは誇示できたし。連続で優勝とか2位というのはシリーズを戦う上では重要だったけど、コースアウトで終わったのは残念。シリーズを考えると難しくなったけど、残り2戦またいろいろ考えて頑張ります。」
青木孝行 青木孝行
「残念です。でも予選が悪かったのが痛かったかな?2位3位ぐらいで、トップが見えるポジションで実さんに代わったんだけど、そこまで行くのに遅い車を抜くのにかかったタイムロスがきつかったかな。もう少し予選をちゃんとまとめられていたら、トップで実さんに代わる事が出来て、違った展開になっていたかな。でも、あそこで行かないとだめだと思うし、レースだから仕方ないですね。次頑張ります。」
田中実 田中実
「監督、チームのスタッフ、TRDやトヨタ、ヨコハマの関係者にちゃんとした結果を持って帰れなかったというのは反省すべきで、本当に残念です。皆さんも悔しい思いをしたと思いますが、僕も皆さん以上とは言いませんが非常に悔しい思いをしました。自分としては最後の10周腹をくくって行ったんですけど、それだけ腹をくくって行ったにもかかわらず結果を残せなかったのは本当に残念です。関係者のみなさんをがっかりさせてしまったと自覚していますので、残り2戦、この借りを返せるように頑張ります。」


決勝リザルト
Position Number Class
Position
Machine Driver Time/Diff Laps Bestlap
1 16 500-1 G'ZOX-NSX 伊藤大輔/T.コロネル 1:58'35.192 63 1'50.476
2 36 500-2 WOODONE トムススープラ 土屋武士/E.コマス 0'05.621 63 1'50.100
3 25 500-3 ADVAN スープラ 荒 聖治/J.デュフォア 0'36.188 63 1'50.699
4 1 500-4 エッソウルトラフロー スープラ 脇阪寿一/飯田 章 0'36.583 63 1'50.418
5 100 500-5 RAYBRIG NSX 加藤寛規/光貞秀俊 0'37.042 63 1'50.864
6 12 500-6 カルソニックスカイライン B.トレルイエ/井出有治 0'41.561 63 1'50.332
7 39 500-7 デンソーサードスープラGT D.シュワガー/織戸 学 1'02.188 63 1'50.497
8 8 500-8 ARTA NSX 土屋圭市/金石年弘 1'18.464 63 1'50.611
9 38 500-9 auセルモスープラ 竹内浩典/立川祐路 1'37.770 63 1'49.613
10 37 500-10 ZENT トムススープラ 黒澤琢弥/M.アピチェラ 1'42.099 63 1'49.796
11 23 500-11 ザナヴィ ニスモ GT-R 本山 哲/M.クルム 1Lap 62 1'50.537
12 35 500-12 プロジェクトμエスペリアスープラ 服部尚貴/脇阪薫一 4Laps 59 1'50.332
13 71 300-1 シグマDUNLOPセリカ 片岡龍也/澤 圭太 1:59'20.794 59 1'58.520
14 43 300-2 ARTA Garaiya 新田守男/高木真一 0'39.840 59 1'58.155
15 3 300-3 ハセミスポーツ・エンドレス・Z 木下 みつひろ/柳田真孝 0'77.135 59 1'59.670
16 81 300-4 ダイシンADVANシルビア 星野一樹/植松忠雄 1Lap 58 1'59.877
17 34 300-5 DENTAIRE MR-S 西澤誠剛/松田晃司 1Lap 58 2'00.076
18 31 300-6 RECKLESS MR-S 佐々木孝太/後藤 聡 1Lap 58 1'59.975
19 51 300-7 C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビア 尾本直史/加藤正将 1Lap 58 2'00.045
20 19 300-8 ウェッズスポーツCELICA 青木孝行/田中 実 2Laps 57 1'58.846
21 17 300-9 Kosei SPIRIT MR-S 松永まさひろ/長島正興 2Laps 57 1'59.737
22 69 300-10 FK/Massimo ADVAN ポルシェ 山岸 大/位高 敬 2Laps 57 2'00.102
23 911 300-11 高見沢バイタルポイントGT3R 高見沢一吉/砂子塾長 2Laps 57 2'00.451
24 61 300-12 R&DスポーツダンロップGT3R 勝間田敦/井原慶子 2Laps 57 2'01.099
25 15 300-13 AMPREX BMW M3GT 橋本元次/C.クワン 2Laps 57 2'00.526
26 22 500-13 モチュールピットワークGT-R 影山正美/R.ライアン 7Laps 56 1'50.523
27 7 300-14 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7 谷口信輝/大井貴之 3Laps 56 2'01.270
28 910 300-15 910 BORO アドバンポルシェ 平川 晃/宮川やすお 4Laps 55 2'01.068
29 111 300-16 ARKTECH-GT3 飯島寛也/芳賀重光 4Laps 55 2'04.789
30 70 300-17 外車の外国屋ダンロップポルシェ 石橋義三/伊橋 勲 5Laps 54 2'03.925
31 18 500-14 TAKATA童夢NSX 道上 龍/S.フィリップ 11Laps 52 1'50.807
32 24 300-18 EndlessタイサンADVAN GT3R 余郷 敦/浅井亮博 12Laps 47 1'59.260
33 2 300-19 リニューカー・インターリンク・ベルノ東海NSX 高橋一穂/渡辺 明 12Laps 47 1'59.562
34 88 500-15 ノマド ディアブロ JGT-1 山西康司/WADA-Q 19Laps 44 1'53.593
以上完走(GT500:44Laps / GT300:41Laps)
  55 300 ECLIPSE タイサン ADVAN バイパー 山田英二/木下隆之 22Laps 37 2'00.515
  26 300 PLUS e タイサン アドバン GT3R 山路慎一/西澤和之 23Laps 36 1'59.570
  5 300 BANPRESTO B-1 マッハ号GT 320R 玉中哲二/三船 剛 27Laps 32 2'00.100
  64 500 Mobil1 NSX 松田次生/A.ロッテラー 32Laps 31 1'50.431
  62 500 VemacR&Dダンロップ350R 柴原眞介/密山祥吾 32Laps 31 1'51.794
  9 300 正義の味方 覆面レーサーX MT 石川 朗/筒井克彦 33Laps 26 2'00.856
  77 300 クスコスバルADVAN インプレッサ 小林且雄/谷川達也 37Laps 22 1'59.319
  76 500 イエローコーンマクラーレンGTR 清水 剛/田嶋栄一 52Laps 11 1'51.119
  11 300 JIM RodeoDrive アドバンF360 松田秀士/田中哲也 50Laps 9 1'59.368
タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/BFG:BFグッドリッチ
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)/ +1:性能引き上げ措置(1ランク)/ +2:性能引き上げ措置(2ランク)

参加台数:44台/出走台数:43台/完走台数:34台
ファステストラップ GT500:1'49.613(No.38 立川祐路 45/63)/GT300:1'58.155(No.43 新田守男 6/59)

※No.8 2003 全日本GT選手権統一規則書 第34条2. 違反(ジャッキアップ中のエンジン始動)により、ドライビングスルーペナルティを課した。


ホームへ戻る



このサイトに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
すべての著作権は株式会社レーシング プロジェクト バンドウと情報提供者に帰属します。



質問・お問い合わせは フォームにご記入ください。

Copyright 2001-2003(C)RACING PROJECT BANDOH
(C)Dora communications Inc.
 

 
race